三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷
臨床に学ぶ会を8月6日に開催しました。「三角線維軟骨複合体損傷」の症例検討、認知症症状、改善の実技など充実した勉強会になりました。
症例検討の患者さんは、70代の男性、1か月前、特に思い当たる原因はなく、手首を捻る・小指側に曲げると左手首尺側(小指側)に痛みを感じました。
10日経っても変わらなかったため、整形外科を受診し三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷と言われ、低周波・赤外線・マッサージをしています。灸治療も加えていますが、症状が変わっていません。
参加者からは、肩関節の動き確認して異常があれば肩関節を緩める。患部に小灸をする。前腕の筋緊張をはり治療で緩める。などアドバイスがありました。
当院の症例では前腕の筋緊張をはり治療で緩めて、患部に小灸をしました。治療効果は2週間に1回行い、6回の治療で緩解しています。
「三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷は手関節尺側(小指側)の痛みが主な症状で、バイバイするように手を振る、フライパンを持ち上げる。また、ドアノブや蛇口をひねると痛みます。
原因は外傷ですが、特定できないこともあります。加齢性に三角線維複合体(TFCC)の穿孔もあるそうです。
鑑別しなければならないのは骨折や腱鞘炎です。手関節背側の腫脹や圧痛は尺側手根伸筋腱炎、舟状骨骨折のときに出てきます。腫脹や圧痛の部位を確認することが大切になります。
整形外科では、保存的治療(安静、サポーター、消炎鎮痛剤、注射)が有効なことが多く、3か月間様子をみてから詳しい検査に進むようです。
(参考文献:整形外科専門医を目指す ケースメゾット・アプローチ 手の外科)」