腰痛の症例を発表しました。
2017年2月5日 臨床に学ぶ会で左側の腰、膝内側、足内側に痛みを感じる、46歳女性の症例を発表しました。腰椎椎間関節症、膝関節症と腰痛症の合併、大腿神経痛などが鑑別に挙がりました。検討の結果、「大腿神経痛による症状で、大腿神経から分かれている伏在神経に影響し膝内側や足内側に痛みが現れることがある。」と意見が一致しました。
症例 46歳女性、腰、膝、足の痛みで荷物を持つのがつらい
現病歴
3か月前から徐々に、左腰部に凝った感じが現れた。原因は引っ越しで無理をした影響だと思っている。
現在、朝の起き上がり動作がつらい。増悪因子は重い荷物を持つこと。
緩解因子は左側上の側臥位。随伴症状は前かがみをすると、左膝内側と足関節内側にジワーとした痛みが現れる。正座痛なし。跛行はない。自発痛・夜間痛なし。外傷歴なし。一般健康状態は良好。
身体診察
大腿神経伸展テスト(+) 前屈痛(+) 後屈痛(+)
圧痛は左気海兪、左大腸兪、左L3、L4椎間関節部に検出
膝蓋腱反射(正常) アキレス腱反射(正常)
治療と経過
腰部の消炎、鎮痛を目的に2週間で3回行い、緩解率は膝と足の痛みは10→0 腰の痛みは10→3
参考文献 名医に学ぶ 腰痛診療のコツ 菊池臣一著
診断のつかない腰痛 仙腸関節の痛み 村上栄一著