パソコンで肩甲間部の痛みを訴える50代男性

症例:50代、男性、会社員
主訴:右肩甲間部の痛み

現病歴:数年前から、頚・肩こりがあった。3か月前から、右肩甲間部が張るようになったが、一晩寝ると楽になるので仕事には支障はなかった。

2週間前から、パソコン仕事をしていると右肩甲間部がビリビリと痛み、夕方になると仕    事に集中できなくなった。現在、長時間のパソコン仕事がつらい、休日に症状は軽くな    る。腕や手に痛みやしびれはない。外傷歴なし、食欲あり、睡眠良好、大・小便普通。 

身体診察:右側の第5と6頚椎の傍らに圧痛と硬結を認める。

鍼灸治療と経過:年齢や長時間のパソコンによる頚部の伸展姿位、痛みの範囲から「椎間関節性頚部痛」と推測した。1週間に1回、鍼灸治療を行い4回目で90%緩解、その後2~3週間に1回継続治療を行っている。

椎間関節性頚部痛の特徴
 椎間関節性頚部痛は退行性変性の過程で頚椎椎間板変性によって椎間板空が減少し、椎間関節の荷重分担が増加することによる機械的ストレスや、これに引き続いて生じる変形性変化(変形

性関節症)によるもの、自動車追突事故やいわゆる寝違えなどの力学的ストレスによって椎間関節包や滑膜ひだに炎症を生じることによって発症すると考えられています。。

 痛みは障害部位によって、後頭部、項部、肩甲骨周囲に生じ、頚椎の傍らに圧痛を認め、頚椎の伸展(上を向く)・回旋(振り向く)姿位で痛みが増強・誘発します。

2018年03月02日