腰・下肢痛

一生の間に誰でも1度は経験することがある腰痛ですが、痛みの原因は様々です。

一般に腰部脊椎症や筋・筋膜性腰痛が多く、片側性腰痛には椎間関節性腰痛やあるいは腰椎変性側弯による腰背筋痛があります。

片側性下肢痛・しびれの原因としては、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による神経根障害が代表的です。

最近ではストレスによって感じる腰痛も報告されています。

 

右殿部から下肢にかけて痛みとしびれを訴えた 60代男性ドライバー

病歴:2週間前、ゴルフをした後急に、腰痛と右下腿につっぱり感としびれを伴う痛みが現れた。 12日前、殿部から大腿後側と外側、下腿外側まで痛みが強まった。整形外科を受診し坐骨神経痛と診断され、薬と湿布を処方されたが症状に変化がないため来院した。現在、腰の痛みは軽くなった。歩行時と立っているとき、下腿外側の痛みが強くなる。歩くと力が入らないため足を引きずる。横向きで休んでいれば痛みはなくなる。


 既往歴:26歳の時、右L5-S1間椎間板ヘルニアを手術

 

身体診察:側弯あり(右凸) 足背動脈(正) 母指背屈テスト(+) 下腿外側に触覚鈍麻(あり) 下肢伸展挙上テスト(+) 踵立ちテスト(+) 右大殿筋筋萎縮あり 右L4、L5圧痛(+)

 

臨床診断:L4-5間の腰部椎間板ヘルニア

 

経過:第4回13日目、疼痛性の側弯が無くなった。整形外科ではMRI検査の結果L4-5間の腰部椎間板ヘルニアと診断された。手術か保存療法にするか悩んでいる。

鍼灸治療や保存療法でヘルニアが吸収する可能性が高いことを説明し,同意を得て継続治療を勧めた。1~3週間の間隔で鍼灸治療を行い、第10回73日目、全快した。その後ドライバーの仕事、ゴルフを支障なくできている。